M15@2インチを手にしたJ.Rさんから
日記転載の許可を頂きましたので、
M15@2インチの紹介文として掲載させていただきました。
雨の日のマスターピース2インチ by J.R
昨日、ホビーフィックスへ行ってマスターピースの2インチを引き取ってきた。
雨のそぼ降る今日は、家の中でずっといじっていた。
ミリタリーポリスの5インチから始まったZEKEブランドの亜鉛合金Kフレームモデルガンシリーズも、
ミリポリ2インチ、マスターピース4インチ、6インチと進み、遂に2インチまでたどり着いた。
元々はマスターピースも4と6インチのみの予定だったが、社長がアメリカでマスターピースの2インチの現物を見たら、あまりに美しいので、急遽製作することにしたそうだ(写真がM15-3=ダッシュ3で、モデルガンとは細部が異なる)。
このシリーズは、モデルガンが大量には売れなくなった時代故、
いろいろと昔とは違う展開で考えられている。
つまり、Kフレームのミリタリーポリスを製作した後、
金型を改修してアジャスタブルリアサイトをつけてマスターピースにして、
さらに金型を改修してM19コンバットマグナムまで作るという、
一粒で三度おいしいモデル展開にして、少ない金型で多品種少量販売をしようとしているわけだ。
大昔のように、ひとつのモデルガンが大量に売れる時代ではない。昭和40年代、中田商店が亜鉛合金製ワルサーP38を作ったら累計で30万挺売れたなんて言うのは夢物語だ。
今や、大きなメーカーでも生産ロットは数十挺、多くても数百挺単位であり、
それでも長い時間をかけて売り切っていく。
もう、1万挺どころか、モデルガンが1000挺も売れることはない。
言葉を変えれば、ある特定のモデルガンを買う人間が1000人もいないということだ。
だから、ZEKEブランドで製作される亜鉛合金モデルガンは、
多くても100挺を少し超えるくらい、
だいたい50挺から80挺前後が平均的な生産数だ。
それでもなんとか作れるのは、これまた時代が変わったからだ。
大昔のように金型作るのに数千万かかるとか、
飲んだくれだが腕のいい金型職人のご機嫌を取りながら金型作ってもらうとか、
それでも忠実に設計書通りに作ってくれずに思った形にならないとか、
タニコバさんたちのような先人のモデルガンデザイナーたちが味わった苦労はない。
コンピュータによる金型設計の飛躍的進歩により、少なくとも金型設計・製作段階は中小、
いや数人の極小メーカーでも可能になり、金型屋さんに教わりながら設計、製造し、
それを金型屋さんと連携した親切な鋳造工場に持ち込めば大量の鋳造パーツを受け取れるようになった。
今では金型を持ち帰って自分で修正までしている。
とは言え、現実に鋳造するには、たとえ夏のクソ暑い時期でも社長自ら鋳造会社へ行って立ち合い、
鋳造されたパーツの出来具合をチェックし、
意外に悪い歩留まり=要するにめっき不良で使えないパーツの割合を考えて
鋳造数を調整しなければならない。
出てきたパーツのランナー切り離し、やすりがけなどの基本作業を依頼して、ようやくパーツを受け取る。
さらに、岩手の磨き屋さんに依頼してパーツを丁寧に磨いて仕上げをしていく。
ここが大事で、1挺ずつコストはかかるが、熟練の磨きの腕で素晴らしい下地仕上げになる。
そして、いちばん大変なのが、めっき作業だ。
数年前、初めて44マグナムを製作した頃は、数少ないめっき屋さんに「できません」と断られ(いきなり断るのはなんか圧力あるよねえ)、しかたなくモデルガンの経験がないめっき屋さんに頼んだら、ちょっと荒い仕上げになって頭を抱え、もはやモデルガンにめっきをするということ自体がとても困難な時代になっていることを痛感した。
モデルガンのような少量ロットを丁寧に対応するめっき業者がいないのだ。
それを見て、前述の岩手の磨き屋さんが「こんなに出来がいいならウチで磨く」と言ってくれて、
44マグナムの特別磨き仕上げのモデルを出せた。
さらに紆余曲折の挙句、モデルガンやったことのないめっき屋さんに
いろいろ提案して時間をかけて改善していき、なんとかめっきを安定的にできるルートを作り上げ、
ようやくちゃんと金めっきをして仕上げのいいピカピカの亜鉛合金モデルガンを
ある程度量産できるようになったのは、次のミリタリーポリスの頃だ。
こんなことしているから、どうしてもパーツ製造段階でのコストは上がる。
だから、仕上がったしたパーツ類が集まると、
老眼に苦しむ社長が相変わらず全部を一人でコツコツ組み立てていき、ようやく製品が完成する。
44マグナムが全部売れてもミリタリーポリスが全部売れても、社長は楽にはならない。
パートのおばちゃんたちをズラッと並べて組み立て作業するようなことは
コストを思うととてもできない。全部社長が自分で作ってるのである。
パーツの完成までにこれだけ手間と時間とお金がかかる以上、
たいして儲けは出ない価格に設定しても、1挺が10数万にならざるをえない。
誰でも気軽に手に入れられる価格ではない。手に入れるためのハードルは高い。
それでも。
出来がよければ売れるという、古来からの当たり前の鉄則は生きており、
ZEKEブランドの亜鉛合金モデルガンは毎回完売する。
もちろん、前述のように儲けがドカドカ出るわけではないから、
相も変わらず社長は冷めた弁当を食べながら
ノートに乗ってあちこちの外注先を一人で駆け回っている。
改めて最新作のマスターピース2インチを眺める。
なお、製品にグリップはついてないから、自分で用意しなければならない。
金属としては初めてのモデルガンだ。
実銃を3D計測しているので、寸法などは文字通り、寸分変わらない。
亜鉛の鋳造だから、どっかの頭のおかしい鋳造経験すらないモデルガン修理業者が
「曲がってる」「収縮してる」とか言うこともあるが、
1960年代からやってる亜鉛合金の鋳造モデルガンであり、
そのレヴェルにおいては、群を抜いて忠実な再現度だ。
S&Wの2インチモデルは、グリップが他の長い銃身のモデルとは違う。
ラウンドボトムと呼ばれるグリップだ。
ミリポリ5インチ。
ミリポリ2インチ。
横から見るとわかりにくいが、butt=底の部分の側面が斜めに削られている。
2インチモデルはコンシールドが前提であり、
グリップの角を落として引っ掛かりを少なくしたのだろう。
ミリポリ5インチ。
ミリポリ2インチ。斜めに丸くなってる。
これほど左様に、実銃は銃身長の違いだけでなく、細部が違うのだ。
マスターピース2インチには気品がある。
「リスボン特急」のカトリーヌ・ドヌーヴのような美しい女性に似合う。
ミリポリ2インチはアメリカだが、マスターピース2インチはヨーロッパだ。
なんというか、同じ銃身長のミリポリ2インチと比べて、品があるとわたしは感じる。
銃身やフレームの上にリブが通り、アジャスタブルサイトがついているだけだが、
ミリポリと違う育ちの良さを感じてしまうのだ。
わかりやすいたとえをすると、クララだ。

ミリポリ2インチがハイジなら、マスターピース2インチはクララだと感じる。
それがわたしが感じる違いだ(そこ、笑うな)。
だから、せっかくつけた実物木製グリップより、もっと上品なグリップが似合うと感じた。
そこで交換した。
もう、40年くらい、各種グリップが入れられた箱の底の方に眠っていた実銃用パール(貝)グリップだ。
メダリオンが木製グリップよりも下についているのは、上の部分が薄くて強度が足りなくなるからだ。
ここだけ、ちょっと目が慣れるまで違和感を感じる。
つけてみたら、やっぱり気品のあるマスターピース2インチによく似合う。
ミリポリにつけてもフツーだが、マスターピースにつけると、俄然、雰囲気が変わる。

ええ感じや。
マスターピース2インチは、上にリブがついているためか、
ミリポリ2インチに比べると、バレルが断ち切ったように短く感じる。
ミリポリ2インチは銃身がくびれている。
マスターピース2インチはストレートだ。この差かもしれない。
また、リブがついている点、フロントサイトがピンと立っている点で、M19コンバットマグナムと共通するものがあり、
目がそのM19の2.5インチ銃身に慣れていると、マスターピースの2インチ銃身を短く感じるのかもしれない。
リブとアジャスタブルサイトがついただけで、2インチモデルはずいぶん印象が変わる。
まあ、実用的に考えるなら、2インチでアジャスタブルサイトは不要だろうが、ついていればカッコいい。
次のM19に備えて金型改修を始めていたため、このモデルはシリーズで初めての3スクリュウモデルだ。
今までのミリポリ5スクリュウモデルサイドプレート。
今回のマスターピース2インチ、3スクリュウモデル。サイドプレート上のスクリュウがない。
フレーム前面のシリンダーストップスプリングを納めるスクリュウ。
これもマスターピース2インチではなくなった。
もちろん、実銃では4スクリュウ、5スクリュウモデルは存在するのだが、
今回、次のM19コンバットマグナム製作の準備作業に入っているため、
一足早く、3スクリュウモデルで製作したのだ。
また、表からはわからないが、1959年のモデルチェンジで実施された、
エジェクターロッド緩み止めのための逆ねじ化も施されている。
これらは同系統のマスターピース4インチ。6インチとは異なる仕様だ。
前述のように、一つの金型を改修しながら鋳造しているため、このようなことが起こる。
だから当然、もうミリポリなど過去モデルは作れない。
最初のロットが常に最後のロットだ。ここが、少量多品種と言う所以であり、
大メーカーではないホビーフィックスが、続けて高品質の亜鉛合金モデルガンを作り続けられる秘訣でもある。
やはり、わたしは金属製モデルガンが好きだ。
最初に触ったのが金属であり、それで育ったからかもしれない。
重く、冷たい手触り。カチャンバチンという作動音。
もう昔のように発火しなくなった年寄りには、ハンドリングモデルがいい。
シリンダーを振り出し、また収め、狙いをつけて、ハンマーを起こし、カチンとトリガーを引く。
そして、ドロンになりきる、いつものバカなおぢさんであった。
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