「J.R氏」より本記事の寄稿を受けました。
実銃マスターピースと、弊社の金属モデルガン・マスターピース6インチに付いての記事を掲載いたします。
ターゲット・マスターピース6インチ、コンバット・マスターピース4インチのご予約に付いては、弊社代理店様にご予約いただくか、若しくは弊社、hobby_fix@msn.comまでメールでお申し込みください。
御注意!現在、メッキ処理に進めた部品残数との兼ね合いから、本2機種の予約受注を一時停止しております。

S&WのKフレームモデルでいちばん美しいと思うのは、マスターピースだ。それも6インチ。
原型になったミリタリーポリスと違い、流麗なリブとアジャスタブルサイトを持つ。
後のM19コンバットマグナムと違い、武骨なエジェクターシュラウドは持たない。
そして、大事な点は。
根元がくびれたバレルだ。
金属モデルガン時代、まともなS&Wマスターピースのモデルガンがなかったせいもあり、
意外にこのリヴォルヴァーの歴史は知られていない。
今回は、そもそもの成り立ちから触れてみたい。
S&W社が標準的なダブルアクションリヴォルヴァーである
ハンドエジェクターシリーズを発売したのは19世紀終わり=1890年代末。
最初は固定サイトのみだったが、顧客のリクエストに応じて初期のアジャスタブルサイトを搭載した
Kフレームサイズモデルが1899年に発売され、「Kサイズターゲットモデル」と通称されている。
Kフレームモデルはそれまでの「ハンドエジェクター」から「ミリタリー&ポリス」とも名付けられてた。
その後、Kサイズモデルは1902年にエジェクターロッド先端が
固定されるようになった3rd change model、
1905年にさらにアクションに改良を重ねた4th change modeと
改良を重ね、これでKフレームサイズのミリタリー&ポリスは完成した。
第一次大戦終了後、アメリカではスポーツ射撃が流行し、
やがて射撃競技を楽しむために22ロングライフルを使うモデルの要望が高まった。
そこでS&W社では1931年、22口径の競技専用モデルを開発、
「K22Target revolver」、愛称「Outdoor'sman」と名付けられている。
1936年製K22ターゲット。スラリと伸び、根元がくびれた美しいラインのバレル。
戦前タイプの高いハンマースパー。
ターゲットモデルを象徴するリアのアジャスタブルサイトとフロントのパートリッジサイト。
22口径のシリンダー。
1939年のS&W社広告。
上がKフレームサイズの「K22 outdoor'sman」。
下はNフレームに38のバレルを組み合わせた「38/44 outdoor'sman」。
「K22 outdoor'sman」は50ヤード(約41メートル)で
約1インチから1.5インチの素晴らしいグルーピングを誇っている。
後にファーストモデルと呼ばれる最初のK22は1939年12月末までに17,117挺製造されている。
当時ヨーロッパの射撃競技で流行していた32S&Wロングのリクエストも寄せられたため、
S&W社は1938年に「K32 Target」と名付けて32口径モデルも発売した。
こうして第二次大戦直前のこの時期、
S&W社は競技用として、38口径の「K38 Target」、32口径の「K32 Target 」、
22口径の「K22 Outdorr'sman」の3種類をそろえていたのだ。
1940年1月、S&W社は「K22 outdoor'sman」に
改良を加えたマイナーチェンジモデルを発売した。
「セカンドモデル」と呼ばれるこの改良型は、
リアサイトがより精密な戦後一般的になる
大型のマイクロクリック・リアサイトになる。
また内部アクションも手を加えられ、
ハンマーストロークが短くなった。
トリガーの後ろにはトリガーが下がりすぎないように
トリガー一体のストップがつけられた。
注意すべきは、まだハンマースパーが高いタイプだということ。
この「K22」のセカンドモデルはS&W社から
「Master Peice(マスターピース)」と名付けられ、
最高級のターゲットモデルとして大々的に宣伝された。
しかし、第二次大戦でのイギリス援助のための大増産もあり
同じ年の12月には製造中止になっている。
だから宣伝された割に製造数は1,067挺と非常に少ない。
S&W社が力を入れたマスターピースは、彗星のごとく出現し、消えていった。
戦後の1945年、S&W社は民間向けのリヴォルヴァーの生産を再開。
その中のラインアップに大型のマイクロクリック・リアサイトを載せた
ターゲットタイプの38ミリタリーポリスがあったが、
これはほとんどメキシコへ輸出されてアメリカ国内には出回っていないので
「メキシカンモデル」と呼ばれている。
しかし、これが戦後最初の「38ミリタリーポリスターゲット」になる。
このモデルは極めて希少で、アメリカでも日本円で300万以上で取引されている。
よくよく見ていただきたいが、
リブのないミリタリーポリス譲りの根元がくびれた6インチバレル。
非常に高いパートリッジ型フロントサイト。
大型のマイクロクリック・リアサイト。
戦前の在庫パーツを使用しているためにハンマースパーは戦前の長いタイプだ。
S&W社では戦後再開するターゲットモデルの製造に当たり、全面的に設計を変更。
前述のメキシカンモデルをベースにして、バレル上にリブをつけ、
トリガーストップも生産性を上げるために独立してセットできるようにて改良された。
1946年12月から販売された戦後版の通算でサードモデルのK22ターゲット。
そしてこれは「K22 マスターピース」と名付けられ、
S&W社の中でも特別なモデルとして位置づけられた。
くびれた6インチバレルはそのままだが、リブがつけられ、
大型のマイクロクリック・サイトが搭載されていて、ミリタリーポリスと識別できる。
ハンマースパーも位置が下へ降ろされ、起こしやすいようにわずかに広げられセミワイドになった。
6か月遅れて1947年6月、本命の38口径のマスターピースが発売された。
「K38マスターピース」と名付けられ、38スペシャルを使った射撃競技で大活躍することになる。
さらに翌7月、32S&Wロングを使う「K32マスターピース」も発売され、
ここに戦後型マスターピースは22・32・38の3種類の口径がそろった。
左から22ロングライフル、32S&Wロング、38S&Wスペシャル。
もちろん、この時代はサイドプレート上部にスクリュウがあるモデルだ。
三つのモデルはすべて6インチバレルであり、口径以外はすべて同じだ。
ただし、当然口径が細くなれば本体の肉厚が厚くなり、重量は増える。
K22マスターピース : 装填重量38½オンス (約1,091.5g)
K32マスターピース : 装填重量36¾オンス (約1,041.9g)
K38マスターピース : 装填重量36オンス (約1,020.6g)
しかし、実際に競技に使うシューターたちから
「3種類の重さをそろえてほしい」という要望が出てきた。
しかたなくS&W社では1949年、バレルを太くして重くし、
微妙な重量調整をリブの幅を変えて対応。
22も32も38もすべて38½に合わせた。
このため、それまでのミリタリーポリス譲りの
流麗なバレル根元のくびれをなくして、ストレートなラインに改めた。
これだ。バレル根元がストレートになっている。
もうミリタリーポリスの面影はない。
この重量を増やした32と38ヘヴィバレルモデルは1949年から生産が始められた。
ただしそれまでのくびれたバレルのモデルはライトバレルと呼ばれて、並行して販売された。
この時期、S&W社ではあえて2種類のモデルを生産しているわけだ。
けれども競技に使うシューターにはヘヴィバレルの方が人気があり、
1953年にはついに本来のベースモデルであるライトバレルは生産が中止されてしまった。
もう、あのくびれたバレルはなくなり、ストレートなヘヴィバレルのみになったのだ。
ライトバレルは1946年から1953年までの約7年間のみの生産になる。
また、マスターピースが発売されると、
警察関係者から「携帯しやすいようにK38のバレルを短くしてほしい」という要望が来た。
S&W社では少量だけ38口径と22口径の4インチモデルを限定販売して市場の反応を見たが、
予想外に好評だったため、1950年から4インチモデルを量産に移した。
これは「コンバット・マスターピース」と名付けられ、多くの警察署が正式導入するに至る。
最初期の1955年製4サイドスクリュウのコンバットマスターピース、より精悍になった。
よく6インチモデルを「コンバットマスターピース」と呼ぶ人もいるが、それは間違いだ。
「コンバットマスターピース」は4インチの固有名詞で、
6インチは強いて言えば「ターゲットマスターピース」だろう。
ついでコンバットマスターピースにも22口径モデルが追加され、
警察での初心者練習用に重宝されたが、プリンキングにも人気があり、
民間では22口径のコンバットマスターピースの方が売れたそうだ。

ヘヴィバレルが前面に出てきて、4インチも投入された頃の広告。
1955年9月、S&Wリヴォルヴァーすべてのモデルについて、
サイドプレート上のスクリュウが廃止された。
したがって、マスターピースの4サイドスクリュウモデルは
1946年から1955年までの間の生産のみだ。
1957年、S&W社はすべてのモデルにナンバーを振ることになる。
K22はM17、K32はM16、K38はM14とナンバリングされている。
またコンバットマスターピースの38口径はM15、
22口径はM18とナンバリングされている。
整理すると以下のようになる。
M14 6インチ 38
M15 4インチ 38
M16 6インチ 32
M17 6インチ 22
M18 4インチ 22
したがって、ナンバリング以降の新しいモデルはK38やK22とは呼ばない。
それまでの呼び方の、K38やK22はフレームサイズのKと口径を指す。
1957年からナンバリングされたモデルなのに、
マスターピースはバレルの長さと口径でモデルナンバーが違うことが、
今になって新鮮だ。(M19は2.5インチも4インチも6インチも全部同じM19)。
しかし、M15の4インチだけはコンバットマスターピースと愛称で呼ぶことや、
ライトバレルとヘヴィバレルの違い等々。
これらの情報が断片的に混在し、
正確に年代別のモデル名とスタイルの違いを説明できる日本語での文献資料が無かった事が、
意外にマスターピースの正体を日本で知る人が少なかった理由だろう。
さて、モデルガンへと話を振ろう。
2021年の暮れから、半年程の期間を掛け、ZEKEブランドで発売された
亜鉛合金製モデルガンミリタリーポリスは、
ハーフムーン、ランプサイト合わせて5インチが150挺ほど、
2インチが50挺に届かない位の数量が生産された。
2022年に金型が改修され、
アジャスタブルサイトを載せたマスターピースの4インチが作られた。
この4インチは凡そ70丁が製造されるとの事。
そして同じKフレームだからできる、6インチが2023年2月頃に発売される。
これも、先行注文数量に沿っての生産だから製造数は極めて少ない。
モデルアップされたのは戦後の1947年から1955年まで
製造された4サイドスクリュウモデルであり、
ミリタリーポリス譲りのくびれたバレル付きだ。
前述のように、わたしのマスターピースのイメージは、
このくびれたバレルじゃなければならない。
均整取れたスタイルの女性のように、
キュッと締まったなんともセクシーなラインだ。
美女の高い鼻のようにキュンと美しいパートリッジフロントサイト。
ミリタリーポリスと違い、精密なマイクロクリック・サイトがついている。
もちろん、完全にモデルアップされるマスターピースの金属モデルガンは最初で最後だ。
そして、このモデルも金型は改修されてしまい儚い運命になった。
昔のように大量に生産していつまでも在庫がある時代とは違う。
それでも。
この美しい6インチマスターピースを手にすることができるのはしあわせだと思う。
わたしは4インチのコンバット・マスターピースより、断然6インチの方が好きだ。
だって、スラリと長いバレルのくびれがセクシーなんですもの。
「セクシーですよねえ。」
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