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MGC・GM2極初期型について

約束をしてしまったことから極初期GM2について書いてみたいと思います。

写真は2桁のシリアルナンバーが刻印された極初期販売のGM2です。

生産当初はシリアルナンバーのみが「別工程の彫刻機」で施され、他スライド部刻印は「シリアルナンバーとは別途行程」で施されています。極初期に施された(シリアル2桁の2個体で確認)シリアルナンバーのフォントは以後の物とは異なるタイプでした。(判断したのはナンバー部刻印の深さ違いと刻印線太さの違いも合わさっています。)
フレーム部刻印は金型によるもので全種共通でGM4・GCNMとのフレーム共用化まで、このミリタリー刻印が残っていました。

他に所有する極初期GM2で以降のシリアルナンバーは1500番台と2000番台の4桁物になりますが、これらのシリアルナンバーは「シリアルナンバーと他刻印は同時」に彫刻機で彫った刻印になっており、シリアルナンバーのフォントは他刻印フォントに合わされ統一感が出ました。(以降2万番台までシリアルナンバーが施されますが、センタータイプ末期にはシリアルナンバーの刻印は廃止されました。)

ちなみにフレームにあるシリアルナンバー#745100-は、実物が1941年10月22日に米軍へ納入されたものです。
GM2での意味は1974年5月10日が図面脱稿とのこと。たしか発売開始の時期は同年の秋ごろだったと思うので、脱稿時期と発売までの期間が短すぎる点がやや不思議に感じます。
(2017.10.5に小林太三氏と直接お話をさせていただき、この疑問についての状況を理解できました。当時は製図の補助要員が複数人付いており、刻印図面は全体図面のうちほぼ最後の方で書いて金型屋さんに提出していたとの事でしたので、時間的なつじつまの疑問も晴れました。)
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GM2初期型ではメインスプリングハウジングのピンが太いことは広く知られていますが、外観で一番の特徴は「バレルの材質が違う」ということです。
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材質名称は知りませんが極初期のGM2バレルは「紫色調マーブルメタリック風」のバレル素材でした。
MGC・シルバーモデル初期の素材はMGC社内では「メッキグレード材」と呼ばれていましたが、記憶ではなんとなく色調が似ているので同じ傾向の材質ではないかと推察します。
バレル全体がこの材質なのでスライドを引いてバレルが露出すると異様な雰囲気を感じますね。なおシリアルナンバーで凡そ3000番辺りまでが本材質のバレルで売られたようです。
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デトネーターを外すと真鍮軸の銃口側先端にはゴムブッシュが付いていて、当初バッファーの具合に試行錯誤したのでしょう。
また、補強の為だったのかチャンバーにはコイルスプリング形状のインナースリーブがインサート成形されています。
チャンバー周囲にひび割れのようなラインが見られますがモールドのウェルドラインでひび割れではありません。
このバレルは非常に脆く未発火でも当時からのバレルがそのまま残っている個体は稀です。
それとスライド内部部品を留めている3本のタッピングビスはすべてが⊖頭でした。

写真の通り全体の仕上げもGM2販売全期間を通じて通常品は「ABS地肌のまま」でした。
イメージ 3

パーティングラインもトリガーガード内側はそのままでした。
私がMGCの工場でアルバイトをしていた時は、組み立て時にキズが付いた場合には、別途にバフ仕上げを行っていました。このため「ABS地肌のまま」は都合の良い仕上げだったと思います。

グリップもGM1と共用と思われていますが、GM2はフレーム側グリップスクリュー部にねじ山を稼ぐため凸状に盛り上がっている事から、GM1グリップをGM2に装着することはできません。
反対にGM2グリップをGM1に装着することはできますが、グリップ裏の肉厚が薄いためネジを締め込むと割れる可能性がありますので避けましょう。

写真右側がGM2用、左側がGM1用になります。
イメージ 4

写真でグリップ裏の穴が違うのは金型の都合で、成形後のバランスで製品を金型に引っ掛けるゼットピンの様な役目であって、製品には不要形状なので無視します。
この後のGM2用グリップは外観そのままに、裏側の肉抜き形状へ改良が加えられていきました。
なお木製グリップは当初からオプション品でした。

GM1とGM2での完全な共通部品はマガジンとマガジンキャッチスプリングにセーフティガイド、セフティプランジャ2個にセフティプランジャスプリングと4本のグリップスクリューだけでした。

極初期GM2のメインスプリングハウジングピンが太いのもGM1と共通のためですが、極初期GM2メインスプリングハウジングピンはGM1用をそのまま使った様子で、ハウジングピン長さはフレーム厚みよりもやや長くて多少はみ出し気味な特徴をもっています。

極初期GM2はGM1マガジンそのままが使われていますが、当初はマガジンの抜き差しが固めでマガジンを引き抜くために指で引き出す感じになりますので、マガジンが後の物と交換されていないかを判断するのは簡単です。
(補足しますが、その後には共用化のために少々寸法を見直して、GM2もマガジンキャッチボタンを押せばマガジンが飛び出すいつものMGCガバメントになりました。)

このほか細かい点を述べると、スチールパーツの仕上げが「やや茶色身がかったガンブルー仕上げ」でした。(MGC社内ではこのガンブルーを「ミッチェル」と呼んでいました。ミッチェルの由来は昔のインスタントガンブルーの商品名で有名だったブランドが「ミッチェル」という商品だったとの事で、これに由来した通称との事。)それらスチールピン類の面取りが大人しいのか「ピン類の抜き差しがやや固く感じる」ことも極初期GM2の特徴です。

カートリッジは先進的な樹脂製で20発入りをうたっていました。
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ただし、実際に真鍮インナーピースが20個入だったのは昭和50年始め辺りまでだったようで、昭和50年夏頃に購入したというパターンでは真鍮インナーピースが7個入の物にダウングレードされてしまっていたとのことです。

現物を実際に所持し分解や組み立てを経て考察したことや、私自身がアルバイトをしていたMGCの工場や販売店(三越裏角の旧新宿店)等で見聞きした話、実際のオリジナルオーナーから聞いた話を元にしていますので、本件解説は大きく外していることはないと思います。

(ご指摘等がございましたらコメント欄からご意見お聞かせください。)

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by products-zeke | 2016-03-24 23:06 | テーマ:いろいろ雑記 | Comments(0)

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