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新年明けましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。

弊社44マグナムをお買い上げいただきました「J.R」氏が書かれた、
「ZEKE・44マグナム」の感想レポートです。
ご本人の転載許可を頂いたので掲載いたします

暖かい日差しを浴びながら、1000年1日のごとく、リヴィングでいろいろ出していじっている。
ただ、今年はいつもと違い、リヴォルヴァーだ。ガヴァメントではない。
去年の秋頃、たまたまブルーレイのキレイな画像で再発売された「シェーン」を観て以来、20数年振りにシングルアクションのリヴォルヴァーに回帰し、ずっといじっている。

人は、わたしが様々な映画に触れながらも、一向に西部劇について書かないので、西部劇が嫌いなのではないかと誤解しているかもしれないが、そうでもない。
小さい頃からTVで西部劇を観て育ったので、中学生くらいまでは、もっぱらシングルアクションの早射ちばかりしていたのだ。途中からダブルアクション・リヴァルヴァー、そしてガヴァメントの抜き射ちへ移っていったので、あまり触れなくなったけれど、育ちはシングルアクションだ。

さらに、年末ギリギリに、モデルガン業界では何年ぶりなのか、新製品の金属モデルガン(とは言ってもコンパチだが)が発売され、その質感のよさと出来のよさに感激して、ずーっといじっているので、年末年始はリヴォルヴァー漬けである。
わたしの世代は、最初に触ったのが亜鉛ダイキャストの金属製モデルガンだったので、やはりなんだかんだ言っても、金属製モデルガンなのである。どうしても樹脂製では出ない、質感。触ったときの感触。バランス。もちろん、発火させるなら、銃口が開いた樹脂製がいいのだが、それでも、オートマティックなら金属のスライドが前後する迫力にはかなわない。
特に、触って感じるハンドリングモデルなら、よけいである。

最後に発売された金属製モデルガンは、記憶が確かなら、もうだいぶ前のランパントクラシックのピースメーカーだろう。
けれども、大量に金属製モデルガンが作られていた時代とは違い、金型から鋳造された亜鉛ダイキャストの塊をきれいに仕上げ、表面を磨き上げて鏡面仕上げをし、きれいに金めっきをかける、というごく当たり前と思われていた工程が、最近の業界では実はできなくなっているようだ。
だから、ランパントの最後の頃の製品も、最高の仕上げとは言いながら、出来上がった金めっきは、バリの落としていない個所やそのままの湯じわ、荒い表面仕上げで酷評されてしまっていた。さらに全部をめっきすることもできず、一部はメラミン塗装で発売されることになった。
最近の再販物にいたっては、最初から塗装仕上げの物まである。金めっきではない。塗装なのである。
要するに、亜鉛ダイキャストの表面仕上げ、金めっきという、われわれ素人から見たら当たり前の作業ができなくなってしまったと言う、深刻な業界事情を示しているのだ。
業界の生産量激減による熟練職人の減少と技術継承の断絶という、どうにもすぐには解決しない問題が、ここ10数年で金属モデルガン製作環境に堆積し、遂に表に出てきてしまったと言うことだ。
需要がないから仕方ないと言えばそれまでだ。金属どころか、そもそものモデルガンの需要が減ったという事実もある。エアソフトガンに傾いたのもしかたないが、そのエアソフトガンですら、今や中華圏の安い、性能いい、質感いい、言うことなしの製品群に圧倒されている。
要するに、家電業界を例に取るまでもなく、製造業全体が中華圏に負けていると言う現実が、単に玩具業界にも波及しているというだけなのだ。
だから。今や、製品の質や値段について、過去・・・。
ここで言う過去と言うのは、もう10年以上前、20年30年前の話である。

コクサイの金属リヴォルヴァーは仕上げがいい?
コクサイなんてメーカーは、とっくにない。月刊誌「Gun」を発行していた国際出版社とともに、とっくに倒産して、存在しない。金型はサンプロジェクトに売られて、一時期は市場に流通していたが、安くするために超硬インサートを入れないで製造すると言う禁じ手を使ったために、今や再生産もない。ヤフオクではコクサイのリヴォルヴァーの値段は狂的に高騰しているありさまだ。
マルシン?
1990年代に作った金属製ルガーP.08やモーゼルミリタリー(M712)をときどき再生産していたが、最近は再生産すらさっぱりだ。P.08なんかも、最初は丁寧なチェッカーの入った木製グリップがついていたが、途中から委託生産していた業者がなくなり、スムーズタイプになった。ここ数年、再生産もできていない。
(注、最近再販の注文を集め始めたようで、チェッカーも木工業社分業でNCの加工や樹脂グリップになっています。)
途中から参戦したランパントも、そんな生産工程での業者確保に苦労した挙句、金属はやめてしまったようだ。
(注、現在ランパント社のモデルガン部門は廃業)
他に、金属製モデルガン、特にハンドガンを新製品で量産しているメーカーはあるのか? あるいは再生産しているメーカーは?
ない。
金属モデルガンは、いつのまにか、死に絶えていたのである。

銃刀法によってたび重なる規制にもかかわらず、何とか生き延びてきた金属モデルガンも、需要がなくなれば、無くなっていくのである。
その死は、いつのまにか訪れていたし、それに誰かが気づいたのときは、既に死に絶えてから10年以上経っていたのである。
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その意味で、今回のホビーフィックスがZEKEブランドで発売した金属製モデルガン・44マグナムは、恐らく業界最後の半量産・金属モデルガンであろう。半と言うのは、以前のように500挺単位、あるいは1000挺単位の生産ではなく、最初のロットがわずか200挺あまりだからだ。でも、これが今の金属モデルガンの生産状況の現実だ。
(注、2019年末に出荷したのは凡そ180丁)
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もちろん、形態としては、既に発売されているタナカの樹脂製モデルガンの44マグナムに対して、メインフレーム、シリンダーなどの主要部品を提供しているのであり、完成品を発売しているのではないが、組んでみれば、立派な金属モデルガンである。
組み上げてみれば、そこには金属製モデルガンでしか再現しえない、圧倒的な存在感がある。亜鉛ダイキャストの持つ、金属の質感。
そして「1.4キログラム!」にも及ぶその重さ。

金属モデルガンの存在感は、触ってナンボである。
金属特有の冷たい感触。ハンマーを起こすときの金属音。シリンダーが回転する硬質な音。シリンダーストップがシリンダーの穴に入り込むカチッとした金属音。トリガーを引いたときの、ハンマーが落ちて、フレーム全体に反響する音。
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シリンダーラッチを押して、シリンダーを振りだしたときの感触。
すべてが、金属製モデルガンしか持ちえない重要な体感のできる部分だ。
しかも、今回のモデルは、最新の技術で3Dスキャンして製作されたモデルなので、パッと見の雰囲気は、まさにそのままだ。
いわゆるモデルガンデザイナーと呼ばれる方々が感覚で立体化したモノではないので、文句のつけようがない。
とくに重要なのは、シリンダーを中心としたあたり。いちばん重要なフルート。
すなわち、シリンダーに刻まれた重量軽減のための溝だ。
今までのリヴォルヴァーのモデルガン、最大の弱点はここで、このフルートの雰囲気を如何に忠実に再現するかで、そのリヴォルヴァーの見た目は決まっていた。
最初のMGC樹脂製44マグナムの頃はしかたない。
次の金属製モデルガン、国際産業やCMCのモデルガンも、ここはダメだった。
もっとも、当時はここが似ていなくても、モデルガンとして存在するだけでよかったので、それはそれでよかった。
しかし、その後10数年の情報量の増加による実銃への忠実度へのこだわりは、もう、そんな感覚で作る代物はなかなか許されなくなってきた。
今回の最新モデルは、この点で文句のつけようがない。パッと見たときの雰囲気は、今まで散々に写真や動画で見てきたS&W・M29のイメージそのままだ。
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そして、驚異的なのは、その部品精度。サイドプレートを、プラハンマーでトントンと叩いてはめ込んでいく、という実銃並のはめ合いなのである。
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金型のつなぎ目のズレはあるものの、フレームとヨークの合わせ目ラインは、ぴったりだ。ここがこんなに合っている金属モデルガンはなかった。

だが、前述のように、今や鋳造したばかりのバリやパーティングラインのついた亜鉛ダイキャストの塊を丁寧に研磨して鏡面仕上げして、24金めっきをつけてくれる専門業者はもういない。いたとしても、10数年前とはかけ離れた工賃で、採算は合わない。
(注、現状の方法でも金めっきのコストは定価の15%超という状況です。)

まったくモデルガンへの金めっき経験のない業者へ依頼し、その業者のやり方にしたがっていかないとならない。
結果、バフ研磨作業はできず、よくアメリカで空薬莢を磨くセラミックメディアの研磨剤を大量に入れた樽を巨大にしたようなドラムに鋳造されたパーツを入れてかき回して研磨する方法を取ったそうだ。
だから、鏡面仕上げをしないで金めっきをしなくてはならなかったので、以前のコクサイやマルシンのようなピカピカの仕上げを期待していると、それは裏切られる。
でも、それはしかたないのである。なにしろ、やりたくてもできないのだから、それはしかたない。
(注、環境問題による法律でトリクレン等の脱脂剤が規制され、現在ではバフ研磨の磨粉を使うと脱脂が完全にできずにムラが発生し、金めっきの品質が保証できない。というのが主な理由です。)

事前の情報で、鏡面仕上げができなかったと言うことだったので、どんな出来になるのか心配していたが、実物を見たら、「なんてことはない」。
それどころか、1971年/昭和46年の第一次モデルガン規制直後にいわゆる「虹色めっき」を見てきたわたしの世代からしたら、きれいなもんである。MGC金属モデルガン末期の「死に装束仕上げ」にも勝っている。
今の時代に、鏡面仕上げを求める方が間違いだ。
(注、CMC・M29等と同時期?辺りの各社金属モデルガンと比較しても、充分に勝っていると個人的に思っています。)

確かに細かい傷はあるものの、製品としてダメなレヴェルでは、まったくない。組み上げてしまえば、全然気にならない。
値段は非常に高いが、業界の現状を思えば、これもしかたない手に入るだけいい。
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わたしは、年末年始、ずっと、この、モデルガン業界最期ではないかと思われる量産金属製モデルガンをいじりながら、ようやく。
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そう、ようやく、「ダーティー・ハリー」を観て以来、40数年経過し、初めて最高の44マグナムのモデルガンを手に入れた幸せを味わっている。
ずっと、1.4キログラムの代物を振り回しているので、いいかげん手首が痛い。
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後は、原型のタナカがどうも最新のM29の形状をコピーしたためか、ちょっとラインが変なハンマーとトリガーを、やはり3Dで作り込んだオプションのセットを組み込めば完璧だ。


追記、
部品の注文やリクエストなどは、
匿名を使ってコメント欄への書き込みは行わないで下さい。

メールアドレス 
hobby_fix@msn.com
宛に、連絡先記載の上で御連絡をお願い致します。

Commented by RIF at 2020-01-02 20:41 x
あけましておめでとうございます。J.Rさん、素晴らしいレポートですね!
Commented by products-zeke at 2020-01-02 21:17
> RIFさん
新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

コメントには本人も喜ぶと思います。
Commented by J.R at 2020-01-02 21:31 x
拙い文章をお褒めいただき、ありがとうございます。寒風吹き荒ぶこの業界ですが、最後の金属モデルガン世代には、実にありがたいモデルです。ただひたすら、売れてほしいです。
Commented by piazzaneroxe at 2020-01-03 08:22
ZEKEさんに伝えたかった、思いの数々、お礼の気持ち。120%代弁して頂きました。
40数年回り道して、やっと手にした本当の44マグナム。
これが、幾多のハードルを越えて、この素晴らしいおもちゃを、この価格で購入できる幸せ。
久しぶりに、年末のクリスマスプレゼント、年始のお年玉をもらった気分です。
ありがとうございました。
Commented by products-zeke at 2020-01-03 14:03
> piazzaneroxeさん
ガバメントならば子細に渡っての形状再現を、
弊社の真鍮が削り出しでやり倒しているのですが、
金型を使うと形状に制限が有って「個体・単体」の形状を追う方法で実現しました。

今までの様にネット上の様々な個体・種類で写真を集めても、
変遷を追う参考資料にしかなりませんでした。

凡そ中高生の多感な頃に、ダーティハリーと出会ったおじさま達に火をつけたようです。
ありがとうございました。
Commented by イチロー at 2020-01-05 12:11 x
トリガーガードやフルートの形状、サイドプレートとフレームの嵌合には感動しました。物づくりをしている知人から聞く、担い手の枯渇とコストの高騰、それに変わる手段の模索などはもはや地獄の様で、作らないか廃業がベストチョイスだと言うことを踏まえるとよくぞここまでと改めて感動します。真鍮削り出し製品にもリボルバーのラインナップが加わることを切に願っています。
Commented by products-zeke at 2020-01-05 16:24
> イチローさん
明けましておめでとうございます。

色々と実情をお汲み取り下さり、ありがとうございました。
機械加工はNC工作機がこれからも発展していくのでしょうが、金色や白色・黄色を絶対とされた金属モデルガンには苦難の道しか残っていないようです。
デティクティブを作った平成14年頃にはこんな状況になるとは考えてもみませんでした。

私自身も年齢を四捨五入すれば還暦に近くなっております。
弊社があと何年?モノづくりをやれるかですが、もう少しだけ頑張ろうと思います。
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by products-zeke | 2020-01-01 20:21 | 亜鉛リボルバーモデルガン | Comments(7)

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